外壁塗装用の塗料にはセラミック塗料と呼ばれるものがあります。
セラミック塗料について調べてみると、「断熱効果が高い」という嬉しい特徴があったり、紫外線に強いなんて書かれているケースをよく見ることでしょう。
しかしセラミック塗料はどれを使っても同じ効果が発揮されるわけではありません。
そこで自分が希望する効果と異なるセラミック塗料を選ぶことがないようにしたいですね。
外壁塗装のセラミック塗料とはどんな塗料のことなのでしょうか?
セラミック塗料とは塗料の中に砂や石、セラミックビーズなどの微粒子が配合されたものです。
「セラミックじゃないのにセラミックっていうの?」と思うかもしれませんが、そもそもセラミックという言葉には「焼き固めたもの」という意味があるので砂や石でも間違いではありません。
セラミック塗料に使われる原料について
一般的に外壁や屋根の保護に使われる塗料には、
・アクリル樹脂塗料
・ウレタン樹脂塗料
・シリコン樹脂塗料
・ラジカル塗料
・フッ素樹脂塗料
という5つの種類があります。
それぞれに特徴があるので違いを把握した上で予算や家の耐久性を考えて選ぶ必要があります。
一般的に下に行けば行くほど耐久年数は長くなり、最も耐久性が高い種類はフッ素樹脂塗料です。
外壁塗装の知識がない人が間違いがちなのですが、「セラミック塗料」とは、アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料のどれかにセラミックが配合されたもののことであり、セラミックが入っていればそれは全てセラミック塗料と総称されます。
塗料の耐久性はセラミックではなく樹脂によって変わるので、「セラミック塗装=耐久性が高くて長く持つ」という解釈は間違いです。
セラミック塗料の特殊な効果とは
セラミックを配合することによって特殊な効果を発揮する種類もあります。
例えば
石材のようなの見た目になるセラミック塗料
断熱・遮熱効果が高いセラミック塗料
汚れにくさがアップするセラミック塗料
など、特徴も様々です。
例えば外壁に石を入れてしまうと重量がアップして耐久性に問題があるケースもありますが、石材調仕上げのセラミック塗料を選べば塗装しても壁自体に負荷をかけることはありません。
これは砂骨ローラーで塗装する「ローラー工法」が主流です。
しかしもっと本物に近づけるために「吹き付け工法」しか選択できない石材調セラミック塗料もあり、これを選ぶと本物と見間違うほどレベルの高い外壁になります。
ただし吹きつけ工法はローラーよりも高い施工技術を必要とします。
ベテランの施工業者に頼みたいですね。
セラミック塗料の耐久性や耐熱性がどれだけ優れているのか?
日進産業という会社が販売している「ガイナ」は断熱・遮熱効果を持つセラミック塗料です。
ここに含まれているセラミックは、中が空洞になっている球体の「セラミックビーズ」で、これを塗りつけることで外壁と外気のあいだに空気の層ができます。
これにより屋内の暑さや寒さを軽減させることができるため、快適な住まいになることでしょう。
耐用年数は約15~20年と長いのがメリットです。
ここで一つだけ注意が必要ですが、ガイナで外壁や屋根を塗装しても、下地処理が甘かったり、下塗りに使う塗料が適切でない場合にはすぐに剥がれてしまいます。
また耐熱性は家の構造に大きく左右されるため、そもそも家全体に耐熱性がない場合には期待した効果が認められない可能性もあります。
「ガイナの効果を期待しすぎたのにやってみたらあまり効果が感じられない」という残念な結果にならないようにするためにも、建物そのものの断熱性をチェックしてから施行してもらいましょう。
関西ペイントが発売している「アレスセラレタン」「アレスセラフッソ」は特殊なセラミックビーズが配合されたセラミック塗料です。
この塗料は乾燥すると、セラミック成分が塗膜表面に層を形成するように設計されています。
外壁表面にできたセラミックの層には、雨などの水分を吸着しやすい親水性があるため、降った雨が外壁に付着しやすくなります。
付着した汚れの下に水が入り込んで外壁の汚れを洗い落とす効果を期待できるので、結果として汚れにくい外壁が完成します。
このように 一言でセラミック塗料といってもいろいろな種類があり、目的によって使い分ける必要があるでしょう。
悪徳なリフォーム会社の場合「セラミック塗料」だけ説明して実際の効果をよく理解していない場合があり、高額な料金を請求されてしまうケースも跡を絶ちません。
さらに塗料の中にほんのわずかなセラミックが入っているだけで「人気のセラミック塗料です!」と売りつけてくるケースもあるので注意が必要です。
どのメーカーの塗料を使って施行してくれるのか?ということをしっかりと理解した上でお願いする必要があるでしょう。
この記事で紹介した日本ペイント、関西ペイントという大手で有名な塗料メーカーのセラミック塗料であれば、しっかりとしたクオリティですし、施行してくれる業者も多く施工事例もたくさんあるので、価格相場を事前にチェックすることができるでしょう。
もし大手塗料メーカー以外から販売されているセラミック塗料を使うときは、その塗料についてこちらがしっかりと把握する必要があるのです。
この記事ではセラミック塗料を使った外壁塗装について説明してきました。
セラミック塗料にはいろんな種類があるので、目的によって選ぶ必要があります。